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■ 在宅医療とは

 

 在宅医療とは、疾患があり定期的な通院が必要な状態であるにも関わらず、何らかの事情で定期的な通院が困難な患者に対し、医師を始めとする医療者が定期的な訪問を行いながら、在宅で医療をおこなうこととされています。
 在宅医療という言葉は報道を通じてすでに耳にされた方も多いと思います。社会的背景の基に徐々に注目を集めているのですが、在宅医療はまだ歴史が浅く、これからの医療です。しかし、これからの超高齢化社会や医療の制度改革により、今後の在宅医療の重要性がますます高まることは明らかです。
 曙光会では、平成9年より積極的に在宅医療に取り組んでまいりました。これまでにおよそ600名余の患者の診療にあたってまいりましたが、その経験からも在宅医療について曙光会の考えを述べさせていただきます。

 

1、在宅医療はチーム医療である。

 

在宅では、介護家族が患者の様子を日々観察し、状態によっては家族が実際に医療行為をおこなうことにもなります。これは入院医療と大きく異なる点です。また在宅での患者のケアには、医療だけでなく様々な福祉的サービス(訪問看護、ヘルパーサービス、入浴サービス、デイサービス等)も関わってきます。このように医療といえども在宅においては、トータルケアの一部門となります。在宅医療は医療者のみが実践すれば完結する訳ではなく、介護家族や看護婦・ヘルパー等の患者を取り巻く人々と協力して実践される「チーム医療である」と考えます。

 

2、在宅医療は慢性期医療である。

 

病院と比べ在宅医療では、十分な検査機器や緊急の治療設備が整っている訳ではありません。したがって、疾患の急性期(高度な医療を用いて病態の改善を図らなければ、生命に関わる時期)の患者さんを診療することは困難です。患者の突発的な急変に対しては、病院への入院や外来受診いただく方が良い場合も多いのです。在宅医療に固執するのではなく、病態に応じて入院医療・在宅医療を使い分ける柔軟さが必要となります。

 

3、在宅医療は個の医療である。

 

 高齢患者は特に医療に対する要求や気持ちの変化が顕著な場合が多く、ただ疾患のみを診るだけでなく、その生活環境や介護状況、精神的状況等を包括的に把握し対処する必要があります。在宅においては本来、検査や高度な治療がおこない難い反面、患者の置かれる立場を認識することを得意とします。したがって在宅医療では、患者の家庭環境や人生観に合わせても医療を構築することが可能となります。在宅医療は、患者と介護家族が継続する医療であると考えます。患者や家族の意図や状況を無視して医療を組み立てたとしても、決して長続きはしません。

 

4、在宅医療はセルフ医療が原則である。

 

 在宅での医療行為の継続は、患者や家族が主体となっておこなうものであり、医療者はその補助や指導に役割が置かれます。患者がなるべく自立できるように支援することが、在宅での医療構築の主眼となります。自立支援とは単に療法の継続だけでなく、患者本人の病状認識、療養指導、ケア等のトータルサポートを図ることが必要です。もちろん病態により自立目標が異なることは言うまでもありません。このように在宅医療はセルフ医療を原則とすることから、インフォームドコンセントが非常に重要になります。