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在宅医療は医者にとってつらくて、詰まらない医療だと言う意見をときどき耳にします。私たちは在宅医療は医者にとって本当に楽しい医療だと思います。白衣を脱いで、常時エアコンが効いた病院や診療所を出て、一歩外に出てみると外は雪だったり、真夏のうだるような暑さだったりします。患者さんの家は決して空調の効いたきれいな家ばかりではありません。高齢者の身体状況も単純なものではありません。家族の軋轢や葛藤を見ることもあります。ですから在宅医療は医者にとって大変で、つまらない医療といわれる事があります。でも、病院のきれいで整った環境で生活から切り放された人を診る事だけが医者にとっておもしろい医療なのでしょうか。在宅の生活の中で人生観や家庭状況取り囲まれた人を診ることは私たちにとってとても楽しいのです。在宅高齢者の姿を通じて、自分がどのように生きるべきか、医療は人に対して何をするべきか、色々な問いかけが生まれてきます。 在宅医療とは医者や医療にとっての問題提起なのかもしれません。是非皆さんが在宅医療を通して、色々な問題を考えて頂きたいと思います。そして高齢化社会とは何なのか、人が生きる姿がどんなに美しいのか、人と人が支え合うというのはどういうことなのかを見て、感じていただきたいのです。そういう意味で在宅の高齢者は私たちにとってかけがいのない財産なのです。今回私たちがまとめる在宅主治医マニュアルは少しでも負担無く医者が在宅医療の現場に関わるための手引き書のつもりで書かせていただきました。このマニュアルはまだまだ完全ではありません。しかし余計な苦労をせずに、在宅高齢者とふれ合い、楽しむために最低限これだけは知っておいて頂きたいと考える事を私たちなりにまとめたつもりです。 |