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〜 No.59 (2004年12月号)
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| 70歳の頂点を目指してこれからの10年に勝負をかける
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永世棋聖 米長邦雄 さん
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1963年にプロ棋士となって以後、数々のタイトルを手中にしてきた米長邦雄永世棋聖。2003年には1100勝を達成しながら、将棋の棋士としての現役を引退して世間を驚かせました。60歳から始まった、米長流人生の展開はどうなるのでしょうか。
60歳で引退をお決めになったのはなぜ?
60歳といえばサラリーマンなら定年の齢。引き続き働くにしても、肩書きがなくなり、収入が減少する、部下もいなくなる。今まで通りにやることはできなくなるわけです。まあ、棋士は自由業だからそのまま将棋の世界でやり続けて、何歳になっても希望を持つことはできるのですが、私は、それより方向転換する道を選んだのです。齢を取っても同じポジションにずっといられるなら、それは幸せでしょうが、「自然」はそれを許さないんですね。だから私は、60までが修行期間で、60からがほんものの人生。それが健康的な生き方だろうと考えたわけです。
将棋をお止めになるのに迷いはなかったのですか?
将棋の世界と縁を切るということではなく、将棋の世界での今までの蓄積をもとにして、それを生かした新しい人生を始めようということです。60から始めて70歳で頂点を目指すのです。言い換えれば70歳の幸せのために、60歳から準備をする。
70歳の幸せは、精神的なしあわせと肉体的健康のふたつともを保っていないとだめ。まあ、70になる前にふたつとも失って、この世に生きていないこともあるかもしれないけどね。
70歳にどのようなご自身でありたいとお考えですか?
70歳でモテる男!私がこれからの10年間一所懸命将棋をやったとしても、70歳になったとき、どんな女性でも間違いなく「60歳のときのあなたは若くて強くてステキだったわね」と言うと思うんですよ。でも、これからやること次第で、「60歳のときは将棋しか知らない男だったけど、70歳のあなたは魅力的になったわね」と言われるかも知れない。ネ?
- さすが棋界随一のダンディのお言葉。ところで米長さんはプロ引退後は、インターネット将棋に参戦していらっしゃるそうですが。
そう。やっぱり将棋が好きですから、やりたくなるんですね。インターネット上で、ハンドル名(ニックネーム)で指す。棋力によって持ち点が決まっていて、ぼくはほぼ最高クラスだから、自分が指す相手もおそらくプロでしょう。棋風から察して、相手もこれは米長だと見当がついていると思いますよ。
ぼくは57歳の時に自分のホームページの運営を開始していますし、パソコン画面に向かうのは、時代の先端に触れる健康維持法みたいなものですね。
- インターネット対局まではともかく、高齢になってからでも将棋を覚えることができるでしょうか?
問題なくできます。楽しんでやる将棋は自分より弱い人をつかまえて指す。これがコツです。詰め将棋ならひとりでも遊べるので、手始めにいいでしょう。将棋、囲碁、チェスなどの頭脳スポーツを楽しんでいる人は、そうでない人に比べて痴呆になる割合が74%も低いというアメリカの研究発表を新聞記事で読んだことがあります。もっとも60歳までやってきたこと、得意だったことは、人それぞれ違うわけですから、将棋でなければならんということはありません。大きなことから小さなことまで、自分なりにやることが大切だと思います。己の限界を知り、分相応の生き方をするということは、一所懸命な生き方をするということでもあります。70歳で、自分が一所懸命に生きている姿を見せたいですね。
- ぜひ、世の男性諸氏のお手本になっていただきたいです。今日は有難うございました。
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