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  〜 No.55

明るく、素直に、あたたかく生きることこそもっとも大切なこと

  俳優・映画監督・来世研究会会長丹波哲郎さん

映画にテレビドラマに、迫力ある演技で観客を魅了する一方で、バラエティ番組にも気さくに出演する丹波哲郎さんは、霊界の研究者としても有名。82歳とはとても思えない活力に満ちた丹波さんに、毎日を幸せに送るコツを語っていただきました。

″丹波哲郎さんといえば何を思い浮かべますか″
という質問を投げたら、これほど多様な返事が戻ってくる人も少ないのではないでしょうか。時代劇のガンコなサムライ役、戦争映画の制服が似合う将校役、サスペンス映画のクールで陰影のある 役、欧米俳優と堂々と渡り合う国際スター、人気テレビシリーズ「キイハンター」や「Gメン75」で見せたカッコいいボス役、最近では大霊界シリーズやテレビ番組で見せる″霊界の宣伝マン″の顔を思い浮かべる人も少なくないでしょう。 霊界とか来世を語る人というとちょっと変人なのではないかと思いがちですが、実際の丹波さんはいたって良識派。500本を超える映画出演で対立した監督はひとりだけ。共演者とのチームワークを乱したことはまったくない。そればかりか友情出演や特別出演を断ったことが ないという、義理人情に厚いお人柄です。
「今は俳優として、昔の50%の力しかないね」
ご本人はそうおっしゃいますが、周囲はほうっておきません。アカデミー外国語映画賞にノミネートされた『たそがれ清兵衛』 でも、主人公の叔父のガンコ武士役で、その存在感は圧巻でした。さらに俳優としての仕事の他に、本を書き、講演会で全国 を回る生活です。″心安らかに幸せに生きるコツを教えてください″とお願いしたら、即座に「明るく、素直に、あたたかく」という返事が返ってきました。
「この中でいちばん難しいのは何かわかるかい? す・な・お・に。素直にっていうのは難しいねえ。これは積極的にそうしないとすぐ立ち消えてしまう。人は強情なもので、他人の話に耳をかさない。でもそれじゃあダメだ。聞く耳を持たないと進歩しない」
撮影中の怪我を除けば、腎梗塞を患ったことが唯一の大病という丹波さんですが、数年前に白内障の手術をした直後は、体 調を崩しました。だからといって慌てず騒がず、ゆうゆうとしているのが丹波流。 「来世研究をしているから、死ぬのはちっとも怖くない。死は気持ちがいいものなんだ。それより病院に入るのはイヤだね。私 くらいの年齢になるといつ向こうに行っても惜しくないけれど、自分の病状を知って、治療方法を考えたい。家で面倒をみてく れる人がいて、そのうえ十分な在宅医療が受けられるなら、それはいいねえ」理想的な在宅医療の実践は難しいだろうけれど、それを目 指すだけでも大変なこと、と励ましていただきました。
「誰しも人に迷惑を掛けたくないと思う。だけど人の世話になることは避けられない。迷惑はど うしたって掛かる。でも迷惑を掛けられる状況にあるということは、この世では幸福なことなんだよ」
迷惑を掛けたくないからと意固地に介護を拒んだり、消極的になるのはかえって周囲を困らせることにもなります。
「人の世話になったらそのお返しをする気持ちがなくてはいけないね」
確かに明るく、素直に、あたたかく振舞うことだけでも、介護する人は十分に報いられるに違いありません。丹波さんは毎日2時間の散歩を日課にしていて、天気が悪い時は足踏み器で歩くそうです。
今日はこれから麻雀なんだ」そう言ってインタビューを終えた私たちを、玄関まで見送ってくださいました。