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ほほえみだより

 



  〜 No.50  (2003年6月号)

元気な人でも病人でも、自分がやろうという気持ちがなにより

 
大相撲 大鵬部屋
大鵬幸喜親方

夢ではありません。あの名横綱「大鵬」現大鵬親方が、ほほえみインタビューに応じてくださいました。ご自身、闘病生活を重ねていらっしゃる親方は「人間死ぬまで自分との戦い」とおっしゃいます。ちょっぴりそのツメのアカ?を分けていただくことにしましょう。


「なんとかもう一度元の姿に戻りたい、ただもうそれだけでした」
なまりのように重い左の手足を動かすリハビリ。まだお子さんも小さく、部屋もこれからという時、大鵬親方の新たな戦いが始まりました。
「私は横綱を張った人間ですから、なんだ大鵬、だらしないなと言われたくないと思いましたね。だからがんばった」
周囲の人たちがよくなってきたと言ってくれる言葉が励みだったそうです。NHKテレビの特別番組の中で医師は、「正直いってここまで回復するとは思いませんでした」と語っています。弟子の育成に打ち込む姿は、不自由な体であることを人に忘れさせるほどでした。  血液運搬車「大鵬号」を日本赤十字社へ贈るチャリティは、発病の年は途切れましたが、翌年には復活し、今では全国に60台を数えます。  そんな親方に、心臓疾患という更なる病が襲いました。実はインタビュー当日は、持病の心臓疾患による3度目の入院を終えて退院後3日目でした。入院生活で機能が低下した左半身のリハビリに取り組む日々。
「リハビリはつらいものです。朝起きて、アーめんどくさい、今日はやりたくないと思うこともあります。誰だってそうじゃありませんか。でも、それをガマンして、気持ちを奮い立たせてやるんです」
16歳で相撲界に入り、つらいとは決して言わずに厳しい稽古に耐えてきた親方だからこそ言える言葉かもしれません。横綱になった人はやっぱり違うと言ってしまえばそれまでですが、人生の苦労は人それぞれ、誰にもあったはず。
「私は病気をした。でももう一回元気になりたいと思った。人間死ぬまで自分との戦い。元気な者でも病人でも、自分がやろうという気持ちがなけりゃだめですよ」
この大鵬親方の言葉こそ、よりよい「生」をまっとうする指針ではないでしょうか。
女房だもの看病するのは当り前だろうと言ってます。私はワンマンですから」美しい夫人を見やりながら大鵬親方はなんだかいたずらっぽく笑って付け加えました。「でも、感謝してるから、言いますよ。ありがとう、って」
現役時代、天才とはやされるたびに「努力」あっての自分と語っていた親方の、清々しい生活が垣間見えたようでした。